建設業の働き方改革の
実現に向けた法整備の経緯
(担い手3法の改正)
建設業の担い手を確保することを目的に、まずは適正な利潤の確保に向けて、公共工事の品質確保の促進に関する法律(品確法)、建設業法及び公共工事の入札及び契約の適正化の促進に関する法律(入契法)が一体的に改正されました。この3法を合わせて「担い手3法」といいます。
平成30年に働き方改革関連法が成立し、働き方改革への意識が高まったことを踏まえて、建設業の長時間労働の是正や、生産性向上の観点から、令和元年6月に担い手3法が一体的に改正されました(新・担い手3法)。
新・担い手3法の主な内容
※以下は建設業法及び入契法の改正内容
- 中央建設審議会が、「工期に関する基準」を策定・勧告
- 著しく短い工期による請負契約の締結(工期ダンピング)を禁止し、違反した発注者には国土交通大臣等から勧告等を実施
- 公共工事の発注者に、必要な工期の確保と施工時期の平準化のための方策を講ずることを努力義務化 など
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第三次・担い手3法について
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建設業は「地域の守り手」として、地域社会の安全・安心の確保を担う重要な役割を果たしている。一方、新・担い手3法から5年が経過する中で、建設業の就業者は減少傾向にあることから、今後も持続的な産業であり続けられるよう、担い手確保に向けた処遇改善や働き方改革の推進が不可欠です。以上の背景から令和6年6月に担い手3法が再び一体的に改正されました(第三次・担い手3法)。
第三次・担い手3法は、令和7年12月までに全面的に施行される予定であり、円滑な施行に向けて準備が進められています。第三次・担い手3法の主な内容
※以下はいずれも建設業法の改正内容技能労働者の処遇改善(令和7年12月までに施行予定※)
- 中央建設業審議会が「労務費の基準」を作成・勧告 (「労務費の基準」に関する検討状況については、こちらをご参照ください。)
- 適正な労務費等の確保と行き渡りのため、著しく低い労務費等による見積りや見積り依頼を禁止するとともに、 国土交通大臣等は、違反発注者に勧告・公表(違反建設業者には指導・監督)を実施
- 原価割れ契約の禁止を受注者にも導入
中央建設業審議会が「労務費の基準」を勧告する権限の創設に関しては、令和6年9月1日に施行済み
労務費確保のイメージ
資材高騰に伴う労務費へのしわ寄せ防止(令和6年12月13日施行済み)
- 契約前のルールとして、①資材が高騰した際の請負代金等の「変更方法」を契約書記載事項として明確化するとともに、②資材高騰など請負額に影響を及ぼす事象(リスク)の情報について、契約前に、受注者から注文者に通知するよう義務化
- 契約後のルールとして、資材高騰が顕在化した場合に、受注者が「変更方法」に従って契約変更協議を申し出たときは、注文者は、誠実に協議に応じる努力義務
働き方改革(令和7年12月までに施行予定)
- 長時間労働の抑制として、工期ダンピングを受注者にも禁止 など